心理学療法➕音!「音楽療法とは。。。」

「音楽療法とは・・・」

 

一定の教育と訓練を受けた音楽療法士が、
音楽または音楽や音の要素を道具として駆使し、
クライアントの心理的・身体的良好目的を
達成するためにサポートする療法のことです。

 

「音楽療法に関して」

 

日本国内では、音楽療法士として国で
認定されてはいないのが現状です。
あくまでも全日本音楽療法連盟が認定した
私的団体の認定となります。

 

「音楽療法の主な考え方としては。。」

音楽のもつ生理的・心理的・社会的働きを、
心身の障害の回復、機能の維持改善、
生活の質の向上に向けて、
意図的・かつ計画的に活用して行われる
治療技法であると定義付けられています。

 

そこで、上記・・・
「音楽の持つ生理的・心理的・社会的働き」
について私が調べた中で一番理解しやすい
表現を下記に記述させていただきます。

 

⒈生理的働き/音楽療法

⑴音楽は、感覚ニューロン(神経細胞)を
通して、大脳皮質の感情中枢に
大きな影響を与える。

音楽は古くから感情(心理)表現の方法と
して発達してきたものであることは
よく知られていますよね。
作曲者の表現しようとした情緒は、
楽譜という形で表現され、
それが演奏者によって再現され、
それを聞く人の感情(心理)に
共感的影響をするということが
一番の特徴だと言えると思います。

しかしそれがゆえに、聞く人がその曲の
表現しようとする情緒に共感しやすい
状態にあるかいなかによって、
影響は大分異なってくると
いう事も言えます。

すなわち、一つの楽曲が個人に
どういう影響を与えるかということは
極めて個人的なものであり、
聞き手の生理的・心理的状況、
あるいはその場の社会的状況によって
変わってくるということです。

しかし、いずれにしてもその情緒が
快であれ不快であれ、
喜びであれ悲しみであれ、感情中枢に
大きな影響を与えるという点においては、
共通していると言えるのではないでしょうか。

 

⑵音楽は、自律神経系に賦活
(活力を与える。活性化する)的、
あるいは 抑制(感情・思考を抑え付ける)

的な影響を与える。

感情中枢の興奮は、すぐ隣りに接する
自律神経中枢に影響を与え、
自律神経の支配する内臓諸器官に促進的
あるいは抑制的な方向に影響を与える
ことになります。
このことが、心身症神経症に見られる
身体症状に好影響を与える可能性に繋がり、
健康な人のストレス(心理)・マネージメント
として音楽が用いられる由縁でもあります。

 

⑶音楽は・・・・
大脳皮質の運動中枢に賦活的、
あるいは抑制的な影響を与える

感情中枢の興奮は、運動中枢に速やかに
伝達され、様々な影響を与えます。
一般的には運動会やゲーム・舞踏等では
促進的と考えられている
リズミカルな曲が使われ、
リラクゼーションを目的とする場合には、
促進的と考えられない音楽が
慣用されていますが、これらの影響には
極めて大きな個人差があり、この曲は
このような働きを持つというように、
どの曲においても、特定の「作用」を
決定付けることはできません。

 

⑷音楽は、長期記憶(長く保持される記憶)
において、いろいろな出来事と
結びつきやすい性質を持っている。

「なつかしのメロディ」といった番組が
よく放映されますが、
ある時代の出来事を想起する鍵として音楽が
使われることが多いと思います。
これは、記憶や感情(心理)と
結びつきやすい音楽の性質を、
特に高齢者の記憶を再生して回想させる
手段として適しているからでは
ないでしょうか・・・
回想に使われる手法としては、
写真や絵、草花等に用いられますが、
音楽の持つ強い情緒性が、

特に長期記憶と結びつきやすいために、
優れた回想法になるものと考えられています。

 

⑸音楽は、認知的なプロセスを刺激する。

音楽を聴くときは知っている曲かどうか
どんな曲なのか。。。
また、類似の曲は?等の判断を脳内で
瞬時に判断しています。
さらに曲の発展を予測したり。。。
歌曲では、歌詞の意味から物語を作ったり
特定の場面を連想したり
特定の感情(心理)を想像するような
認知的プロセスが起こります。
このプロセスは、よく知っている曲よりは
未知の曲を聴くときの方が
起こりやすいと思われます。
したがって、純粋にある情緒状態を
期待する時は、認知的な働きの
少ない概知の好きなの曲の方が適切では
ないかと考えられます。

 

ここまで記述してきた内容は、
音楽療法入門
20150904(1998年発行図書)より抜粋し、
掲載させて頂きました。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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